歯を失う事故第一位
無意識のかみしめグセ
咬み合せ治療・顎関節症治療例
顎関節にも問題がある、顎関節症の患者さんも多く、仮歯による長期咬み合せの改善治療はもちろん、矯正治療やインプラント治療や歯周外科など高度技術治療を併用。いずれも超難症例ですが、患者さんの希望に答えるべく、じっくり時間をかけて治療しております。
無意識の歯列接触癖
「歯ぎしり」「噛みしめ」「くいしばり」
【Tooth Contacting Habit】
これ以上、歯や顎を痛めないため
ストレスを減らして
まずは自覚することから始めましょう
無意識の「歯ぎしり」「噛みしめ」「くいしばり」について
歯を失う主な原因はむし歯と歯周病ですが過剰な噛む力「歯ぎしり」「噛みしめ」「くいしばり」も要因の一つです。
上下の歯はいつもかみ合っていると思っている方が多いかも知れませんが、一日3食を含めて、トータルで17分半くらいが平均といわれています。この時間以外の上下の歯の接触が問題で、主な原因は「ストレス」と「集中」でスポーツや力仕事、パソコンや手仕事などを集中してするような人に多く見られ、96%の人がしているという報告さえあります。意識しないで行われているため気づきにくいのですが、次のような問題を起こします。
- 歯への障害:歯の摩耗、歯の破折、歯がしみる、噛むと痛いなど
- 歯周組織への障害:歯肉炎、歯周疾患(歯周炎=歯槽膿漏)
- 顎関節への障害:顎関節痛、開口障害、カックン音など
- 全身への障害:顔面痛、頭痛、肩凝り、腕のしびれ、腰痛など
- その他:舌痛症、むちうち症状、倦怠感など
これらの症状のすべてが、「歯ぎしり」「噛みしめ」「くいしばり」からくるわけではありませんが、無用な悪いクセは減らしておく方が良いと思います。このクセは眠っているときとか、何かに夢中になっているときとかに起こるので気づきにくいし、治すのにも同じ理由でやっかいです。治すためやくい止めるためのマウスピースを入れる方法もありますが、マウスピースを外している間は効果がありません。しかし、自分自身が本気になって治す気になれば意外と簡単に治る場合もあります。では、その方法をお教えします。
①まず、日中の気付きから始めます。
パソコンや家事など夢中になっているとき、上下の歯が接触していることにふと気づくことがあると思います。気づいていない方は、頬の内側や舌の横縁をみてください。滑らかでなく歯型の凸凹がついていませんか?下顎の内側に骨の隆起はありませんか?歯の噛む面や先が削れていませんか?歯のはえ際に爪が引っ掛かるほどくびれはありませんか?これらは全て「歯ぎしり」「噛みしめ」「くいしばり」からくるものです。上下の歯の接触をうまく気づくというのは、意外と難しいものです。そんな場合は、意識行動療法である「貼り紙法」です。小さめのメモ用紙に「歯をはなしてリラックス」と書き、5分以上動かずにいる場所すべてに貼ってください。パソコンや台所には必ず貼ってください。メモに気づいたらため息をつくように息を吐き出しながら力を抜き、歯を離して、舌も力を抜くという動作を行う。それを続けると、歯が接触してから気づくまでの時間が徐々に短縮し、最終的には歯が接触していると、条件反射で無意識に離開するようになります。
頬粘膜の歯圧痕
舌の歯圧痕
下顎内側の骨隆起
上顎の骨隆起
外側の骨隆起
歯のはえ際のくびれ
②日中はなんとかできるとして、次は夜眠っているときのことです。
眠っているときのことなど、コントロールできないと思っている人が多いと思います。しかし、「明日の朝4時に起きなければいけない」と思って寝ると、不思議とその時間に目が覚めるという経験をしたことはありませんか。眠っていても潜在意識が作用して、正確にその時間に目が覚めるというかなり難しいことを私たちはできるのです。ましてや、上下の歯を合わせないようにリラックスして眠るなどという作業は、「その気」になりさえすれば意外と簡単にできるものなのです。成功の秘訣はあなたがどれだけ「その気」になるかにかかっているのです。
前準備として枕無しで寝ましょう。そうすると頭が上を向くので、口が開きやすくなるからです。不慣れで不眠になりそうな方は、バスタオルやハンドタオルを使って徐々に低くしていきましょう。
呼吸に意識を傾け、吐くときに脱力するのを繰り返します。また、たとえば「リラックスリラックス」など自分が落ち着ける言葉を唱えるのも良いでしょう。翌朝、今あるすべての症状がなくなって、すっきり爽やかに目覚めるあなたの姿をイメージしながら眠りに入って下さい。
これで筋肉や顎や歯の状態が改善したらいいのですが、どうしても改善しない場合はマウスピースの使用をお勧めします。「歯ぎしり」「噛みしめ」「くいしばり」を防ぐものではありませんが、この過剰な噛む力から歯を守ることはできます。
以上「歯ぎしり」「噛みしめ」「くいしばり」を治す方法を挙げてみました。この過剰な力を治すことに、残念ながら科学的に確実な方法というものはありません。大事なのは治そうという信念です。自分で「こんなクセは無い」と自覚がない場合や「治せないかもしれない」といった疑いを持っていると治療効果も上手く出ません。自覚して、このクセとうまく付き合っていきましょう。
本番
まず、思い切り噛みしめてみて下さい。
1~2秒後に、フッと顎の力を全部抜いてみて下さい。わずかに口が開くと思います。
その位置が理想的なリラックスした位置で、このまま一晩中眠ってくれるといちばん良いのです。
次に、思い切り大きな口を開いてから、今度はガクンと脱力してみて下さい。
たぶん、ほぼ同じ位置に顎が閉じるだろうと思います。
ただし、顎の関節が痛くて開けない人は無理せず開けられる所まででよいです。
このとき、呼吸をいっしょに合わせると良いと思います。
つまり、力を入れるときに息を吸って、いったん1~2秒止めてから、脱力するときに一気にはくのです。
次に、肩に思い切り力を入れて、1~2秒してから突然脱力して下さい。
このときも呼吸を合わせて下さい。
同じように、胸、腹、太ももの脱力をして、最後に足の先からその日の全ての疲れとストレスを追い出してやるような気持で大きく息を吐き出しながら脱力します。
何回もやっていると、手のひらや足の裏あたりが少し温かくなった感じがしてくるかもしれません。
それを感じたら、もっともっと温かくなるのを感じて下さい。
最後にもう一度、顎の力が抜けていることを確かめます。
自己暗示
呼吸に意識を傾け、吐くときに脱力するのを繰り返しながら、手足やお腹が温かくなってくるのを感じて下さい。
また、吐くときに、自分がリラックスできる言葉を唱えるのも良いでしょう。
たとえば「リラックス、リラックス」「いい気分、いい気分」「楽だ、楽だ」など何でもよいです。
また、「噛んではいけないぞ」「歯を合わせない」「開いて寝る」などと言い聞かせます。
そして、次の朝、今あるすべての症状がなくなって、すっきり爽やかに目覚めるあなたの姿をイメージしながら眠りに入って下さい。
口を開いて寝たら喉が渇きませんか?
次の朝、口の中が乾いているようだったら喜んで下さい。
自己暗示が、幾らかでもできていた証拠です。
口が乾いたからといって何か障害があるわけではありません。
自己暗示ができるようになったら、今度は、上下の歯はかみ合わせずに唇だけ合わすようにして下さい。
気になって夜中に目が覚めたり、食いしばっているのに気付いて目が覚めたりするのですが、寝不足になりませんか?
夜中に目が覚めるようであればやはり、喜んで下さい。
自己暗示ができてきた証拠です。
歯ぎしり噛みしめはごく浅い睡眠のときにすると言われていますので、さほど睡眠不足にはなっていないと思います。
自己暗示がうまくいっているかどうかの判断は?
自己暗示が成功している度合いによって、はじめは、噛みしめた後に目が覚めるようです。
やがて、噛みしめているときに目が覚め、もっとうまくできるようになると、噛みしめようとする前に目が覚めます。
ほとんどできるようになると、翌朝目が覚めたときに、夜中じゅうしていなかったことが確信もてるようになります。
歯ぎしりや噛みしめをするのではないかと気になって、よく眠れなかったり、かえってストレスになってしまうのですか?
負担になるほど深刻にならないで下さい。
「噛んではいけないんだぞ」などと言い聞かせないで、穏やかな顔をしている自分をイメージするようにして、リラックスして眠ることに重点を置いて下さい。
ぐっすり眠ってしまい、あまり変わりばえがしないのですが?
「絶対この癖を止めるんだ」という気持ちをもっと強く持って下さい。
また、眠り込むときに、「絶対上下の歯を合わしてはいけないんだぞ」と強く言い聞かせてみて下さい。
以上「歯ぎしり」「噛みしめ」を治す方法を挙げてみました。
「歯ぎしり」「噛みしめ」に対しては残念ながら科学的に確実な処置というものはありません。
大事なのは治そうという信念です。
自分で「治せないかもしれない」といった疑いを持っていると自己暗示もうまくいきません。
それでもうまくできなければ、一時的に寝るときだけ使うマウスピースをお作りいたします。
無意識の歯列接触癖
「歯ぎしり」「噛みしめ」「くいしばり」
【Tooth Contacting Habit】
これ以上、歯や顎を痛めないため
ストレスを減らして
まずは自覚することから始めましょう