咀嚼と嚥下
前回のフレッチャーイズムで、「何度もよく噛んで、自然に嚥下されるまで待つ」ことが大切とありました。
では、噛むとはどういうことなのでしょうか?噛むことの目的は、食べたものを小さく噛み砕き、喉を通るだけの大きさにして、胃や腸で消化吸収しやすくすることです。
食べ物が噛み砕かれ唾液と混ぜ合わさったものを食塊(しょっかい)と言います。その食塊を飲み込むことを嚥下(えんげ)といいます。嚥下は嚥下反射という反射運動です。噛むことによって食べたものの味に変化が起こり、脳から「飲み込め!」と指令がくると、食塊を喉の奥に送り、咽頭を刺激することで「ゴックン」と飲み込むのです。食べ物を噛めば噛むほど美味しく感じるのは、食べ物と唾液が混ざって味に変化が起こるからです。
よく噛んで食べると時間が掛かります。このようにゆっくり時間をかけて食事をすることで食欲・満腹中枢が満足するのです。この他にもよく噛むと、顎の運動量が多くなり、その結果、頭頸部の血行がよくなります。そうすると、食事に対する満足感が精神的な安定につながり、胃や腸などの諸器官の活性につながるのです
逆に、よく噛まずに(噛めず)食事をすると、嚥下までの時間が短くなります。柔らかいものばかりを食べると唾液の分泌も少なくなり、味が変わりません。唾液とよく混ぜ合わないうちに嚥下する必要性から味付けが濃くなります。コッテリした味が好きになり、満腹中枢も満足しにくいため、過食になりお酒の量も増え、肥満につながります。脳卒中、心臓病、ガンなどの成人病にかかるリスクが高くなるのです
このように、よく噛むことはとても重要なことですが、それも「噛める歯」があってこそです。日頃のケア、そして信頼できる歯科医院での治療をオススメします
広島県三原市 大名歯科医院 歯科技工士 木原 義隆
投稿者プロフィール
- 大名歯科の歯科技工士です。
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