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「噛める歯」を失うと、健康はどう変わるのか?

2024年12月25日 大名歯科院長
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「歯が無くなると一気に老ける」とよく言われますが、その影響は見た目だけに留まりません。実際には、歯を失うことで脳や全身の老化が進みやすくなるのです。

歯が無くなると、噛み合わせのバランスが崩れ、噛む力が弱くなります。噛む筋肉は口の周囲だけでなく、首や背中にまで広がる12種類の筋肉と連動しています。この筋肉群が連携して働くことで、私たちはしっかり噛むことができます。さらに、噛む行為は口の筋肉だけでなく、太ももやふくらはぎなど全身の筋肉を活性化させることが分かっています。逆に、噛む力が弱くなると全身の筋力が低下し、結果として体の老化が加速します。

また、噛む力が弱くなることで脳への刺激も減少します。脳への刺激が不足すると、脳細胞が減少し、脳の老化が進行します。実際、歯を失うことは認知症の危険因子の一つとしても知られています。

このように、若いうちからしっかり噛める咀嚼機能と口腔機能を維持することは、脳や全身のアンチエイジングにおいて極めて重要です。もし歯を失った場合でも、そのままにせず適切な治療を受けることが健康維持の鍵となります。ただし、歯を補う治療方法にはさまざまな選択肢があり、それぞれで噛む力や機能に差があります。

例えば、歯を補う手段として「入れ歯」は広く使われています。入れ歯を装着することで噛む力(咬合力)は、歯がない場合の約1.24倍に向上しますが、これは天然歯の咬合力のおよそ半分にとどまります。一方、「インプラント」を用いる場合、咬合力は約1.89倍に向上し、より天然歯に近い噛む力を取り戻すことができます。

つまり、咬合力の観点では、入れ歯よりもインプラントの方が有効と言えるでしょう。ただし、これらの数値は平均的なものであり、治療成果は個人差が大きいです。信頼できる歯科医と相談しながら、自分に最適な治療法を選び、長期的に良好な口腔状態を保つことが大切です。それによって、脳と体の健康を守り、若々しい日々を過ごしましょう。


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