ホワイトニングで歯が弱る?実際のところを詳しく解説!
「ホワイトニングをすると歯が弱くなる」という噂、耳にしたことがある人も多いかもしれません。実際、日経産業新聞(2009年4月16日付)には、米オハイオ州立大学の研究チームが「アメリカの家庭で使われている歯の漂白剤が歯の強度を弱める可能性がある」と報告したと書かれていました。この研究では、漂白剤メーカーに改良の余地があると指摘されたようです。
確かに、当院でもホームホワイトニングシステムを提供しており、患者さんが自宅で簡単にケアできるようになっています。しかし、この情報だけを読むと「ホワイトニングは危険では?」と不安になる方もいるでしょう。
この記事の内容をよく読むと、「漂白剤を使うことで、歯が1.2~2ナノメートル削れる」という具体的な数値が示されています。ナノメートルはとても小さな単位で、ホームホワイトニングを1週間に1回行った場合、1回で約14ナノメートル減る計算です。これを毎日1年間続けた場合、約700ナノメートルの減少となります。さらに、20歳から60歳までの40年間続けると、合計で28,000ナノメートルが削れることになります。
一見すると大きな数値のようですが、実は歯のエナメル質は約2ミリメートルの厚さがあり、これは2,000,000ナノメートルに相当します。つまり、一生を通してホワイトニングを行った場合でも、エナメル質の70分の1程度しか減らない計算です。「一生を70回分生きて、毎日ホワイトニングを行って初めてエナメル質が影響を受ける」というレベルなのです。
このように具体的な数値を知ると、「ホワイトニングが歯に悪い」という情報だけにとらわれるのは誤解だと分かります。もちろん、何事も適量が大切ですし、無理に毎日行う必要もありません。しかし、情報を鵜呑みにせず、内容を吟味し、自分で考える力を持つことが重要です。
Author Profile
- 大名 幸一 Koichi Omyo
Latest entries
- 歯科2024.11.13歯も大切に!知られざる歯のケアと日常習慣
- 歯科2024.11.12実は危険な色も?意外と知らない虫歯の真実
- 健康2024.11.11気になる口臭をガムでセルフチェック! 簡単なケアから病気のサインまで解説
- 歯科2024.11.10知っておきたい!本当に「ノンシュガー」?キシリトール製品と缶コーヒーの落とし穴
この記事をFacebookでシェアする