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口呼吸が引き起こす健康リスクとその対策:知られざる万病の元

2024年10月22日 大名歯科院長
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最近、口呼吸による影響が注目されています。特に幼児や小学生の間で、口唇の乾燥や荒れが目立つことが多くなり、冬に向けてさらに悪化することが予想されます。この口呼吸がもたらすリスクは、実に多岐にわたります。虫歯や歯周病、風邪やインフルエンザのリスクを高めるだけでなく、長期的な健康や成長にも悪影響を及ぼすのです。

口呼吸がもたらす健康リスク

口呼吸は、鼻呼吸に比べて唾液が蒸発しやすく、唾液が持つ抗菌作用や酸中和作用が減少します。その結果、虫歯や歯周病のリスクが大幅に上がります。さらに、鼻を通らないことでウイルスや細菌が直接喉や気管に侵入しやすくなり、風邪や気管支炎、インフルエンザなどの感染症のリスクが高まります。

口呼吸の問題はそれだけではありません。長期間続くと、歯列不整や顎の発育にも悪影響を及ぼします。特に成長期の子供の場合、口呼吸が原因で歯並びが悪くなり、顎関節症や咬合不整などの問題が生じることもあります。例えば、普段から口を開けて寝ている子供は、朝起きた時に口が乾燥しているだけでなく、歯茎が赤く腫れていることがあります。これが長期化すると、歯科的なトラブルに発展しやすくなります。

口呼吸の見分け方と対策

口呼吸かどうかを判断するためのポイントはいくつかあります。まず、口唇の乾燥が顕著であれば口呼吸の可能性が高いです。また、上の前歯にプラーク(歯垢)が多くついている、歯茎が赤く腫れているなどの症状も口呼吸のサインです。

短期間の口呼吸、例えば運動後に息を切らした状態で一時的に行う場合はそれほど問題ありません。しかし、長期的に口呼吸を続けることは非常に危険です。特に就寝中の口呼吸は、唾液の分泌が減少するため、口内環境が悪化しやすく、口臭や虫歯の原因となります。

対策としては、まず日常生活で口を閉じる意識を持つことが重要です。特にテレビやDVDを見ているとき、無意識に口が開いていることが多いので注意が必要です。また、舌先を上の前歯の裏側に常に置くよう意識することも、口呼吸を防ぐ一助となります。周りの人が注意してあげることも効果的ですが、あまり強く言い過ぎると関係が悪化する可能性もあるため、適度にフォローすることが大切です。

さらに効果的な方法として、ノンシュガーガムをだらだらと噛むことが推奨されます。ガムを噛むことで唾液の分泌が促進され、口を閉じないと涎が垂れてしまうため、自然と口を閉じる習慣がつきます。これにより、歯並びの改善や口呼吸の予防が期待できるのです。

就寝中の口呼吸対策

就寝中に口呼吸を防ぐための方法として、サージカルテープを使うことがあります。唇に細いテープを縦に貼ることで、無意識に口が開くのを防ぎます。この方法は、特に口を開けて寝てしまう習慣がある人に効果的です。

また、鼻の通りを良くするための対策も重要です。鼻炎やアレルギーが原因で鼻呼吸が難しい場合、耳鼻科や小児科、アレルギー科に相談し、適切な治療を受けることが口呼吸の改善につながります。

体の乾燥と冷えにも注意

口呼吸は、体全体の乾燥や冷えにも悪影響を及ぼします。口から呼吸することで体内の水分が失われ、乾燥が進むと同時に免疫力が低下します。特に寒い季節には、口呼吸が原因で体が冷え、風邪をひきやすくなるので注意が必要です。日常的に鼻歌を歌うなどして、鼻呼吸を意識することが、健康を保つための一つの手段です。

口呼吸の悪影響を軽視せず、日常生活の中でできる対策を取り入れることで、健康な生活を送りましょう。


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