除菌しすぎ?本当の免疫力を考えよう
現代の子どもたちは、昔に比べて自然と触れ合う機会が少なくなっています。泥遊びをしたり、田んぼや海に飛び込む経験がほとんどなくなりました。昔の伝説では、イエス・キリストや釈迦、そして聖徳太子(厩戸皇子)も馬小屋で生まれたと言われています。当時の環境は、今の清潔な生活とはかけ離れたものでした。しかし、そんな環境のおかげで免疫細胞が活発に働き、外部の異物に強く対応できていたのかもしれません。現代では、アレルギーが増えていますが、その背景にはこうした「自然との隔絶」が影響しているのではないでしょうか。免疫細胞が本来の働きをする機会が減ってしまったため、蕎麦や花粉といった無害なものに対しても過剰反応してしまうのです。
除菌の誤解
テレビやインターネットのCMでは「除菌!」という言葉が頻繁に使われていますが、実際にその意味をしっかり理解している人は少ないかもしれません。「滅菌」とはすべての菌を完全に殺すことを指します。「消毒」は、菌をある程度取り除くことです。そして「抗菌」は、菌の繁殖を防ぐことを意味します。しかし、「除菌」とは、実際には菌を一匹も殺さずに、他の場所に移動させることに過ぎません。つまり、除菌は「菌をどこか別の場所に移すだけ」という意味であり、菌そのものを消滅させるわけではないのです。よく考えずに「除菌」を信じてしまうと、思い込みだけで安心してしまうかもしれません。
ウイルスも細菌もゼロにはできない
私たちが生きている限り、ウイルスや細菌とは無縁でいられません。もちろん、病気の原因となる悪い菌を減らすことは重要です。しかし、すべてを「ゼロ」にすることは不可能です。それよりも、良い菌を増やし、バランスの取れた環境を作ることが、健康な生活にとって大切なのです。例えば、腸内環境を整えるために、ヨーグルトや発酵食品を食べることが推奨されています。これは、体内に良い菌を増やし、悪い菌の影響を抑えるためです。このように、自然な形で免疫力を高めることこそが、私たちが目指すべき方向なのではないでしょうか。
「最近、息子が庭で泥遊びをしているのを見て、少し心配しましたが、自然に触れることで免疫力が高まることを思い出し、安心しました。」
「除菌スプレーを使いすぎると、かえって良い菌まで減らしてしまうので、使い方には気をつけるようにしています。」
清潔すぎる現代生活に一度立ち止まり、自然との共存をもう一度見直してみましょう。
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- 大名 幸一 Koichi Omyo
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