もしかして原因はこれ?睡眠時無呼吸症候群と本態性高血圧の意外な関係
高血圧と診断され、薬を飲むように勧められた経験はありませんか?特に、塩分や脂肪分を控えているのに血圧が高くなる「本態性高血圧」と呼ばれる症状をお持ちの方は多いのではないでしょうか。この「原因不明」とされる本態性高血圧、実はある意外な原因が隠れているかもしれません。それは「睡眠時無呼吸症候群」です。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。これにより、体は酸素不足になり、血圧が自然と上昇してしまいます。睡眠中に何度も「首を絞められている」ような状態に陥るため、体にとって大きなストレスとなり、結果的に血圧や血糖値の上昇を招くことが多いのです。
例えば、次のような症状に心当たりはありませんか?• 昼間に強い眠気を感じる • 集中力が続かない • 寝ている間にいびきをかく、または呼吸が止まっていると指摘される
これらの症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いかもしれません。特に、高血圧や糖尿病の患者さんは、この病気が原因となっているケースがよく見られます。夜間の酸素不足により、心臓や血管に過剰な負担がかかり、高血圧や心臓病を引き起こすリスクが高まるのです。
生活習慣が原因でない高血圧の方へ
もし、普段から食事や運動に気をつけているのに高血圧を指摘された場合、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみることをおすすめします。多くの人が、睡眠中の呼吸障害が原因で血圧が上がっていることに気づかず、長期間薬に頼ってしまうことがあります。
睡眠時無呼吸症候群は、肥満の方に多いと言われますが、必ずしも体重だけが原因ではありません。例えば、顎の形や気道の狭さも一因となるため、痩せている方でも発症する可能性があります。
自己チェックと受診のすすめ
セルフチェックとして、6時間以上の睡眠を取っているにも関わらず、日中に強い眠気を感じる場合は、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。最近では、簡単な検査機器を使って自宅で診断を行うこともできるため、気になる方は専門外来に相談してみましょう。
また、歯科医院では、症状が軽度の場合にスリープスプリントという装置を作成し、改善を図ることができます。重症の場合は、CPAP(シーパップ)という装置を使って呼吸をサポートする治療が有効です。CPAPを使用することで、昼間の眠気が解消され、仕事や日常生活のパフォーマンスが劇的に向上したという声も多く聞かれます。
睡眠時無呼吸症候群が引き起こすリスク
睡眠時無呼吸症候群は、昼間の眠気や集中力低下だけでなく、深刻なリスクを伴います。運転中の事故を引き起こす可能性も高く、取り返しのつかない事態になる前に早期の診断と治療が重要です。
原因不明の本態性高血圧にお悩みの方、ぜひ一度睡眠時無呼吸症候群の可能性を検討してみてください。歯科では確定診断はできませんが、専門外来への紹介やスリープスプリントの作成が可能です。正しい診断と治療を受けることで、健康な生活を取り戻しましょう。
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- 大名 幸一 Koichi Omyo
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