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歯科定期検診の内容は実はどうでもいい…それよりも頻度

2024年6月6日 大名歯科院長
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とある論文で歯科の定期検診の内容に有意差はないという、歯科医療従事者泣かせの論文データが載っておりました。軽症の方も含めて全人口の8割が罹患している歯周病、歯科医院で定期的に検診を受けられている方も多いと思います。

その定期検診の内容ですが、検査内容として歯周ポケットの深さ、出血排膿の有無、歯の動揺度、口腔内写真、場合によってはレントゲンで支持骨の状態確認ですね。指導と確認内容として歯間ブラシやフロスを含めたブラッシング方法、食事や運動を含めた生活習慣による全身の健康管理。処置内容としてPMTC(歯根面を含む歯面クリーニング)、歯石除去、動揺歯固定、咬合調整、場合によっては歯周外科も。これらが皆さんも体験されている歯科定期検診の一般的な検査、指導、処置内容ではないでしょうか。

定期検診の結果が歯周病進行抑制につながればと思い、歯科医療従事者はこれらの内容について日々研鑽しております。ところが、この具体的内容と歯周病進行抑制に有意差がないという、悲しすぎる結果データもあるということです。

それなら何が歯周病進行抑制に効果的かというと、同じ論文データには定期検診の頻度と書いてありました。内容はなんでもいいから、歯科医院で定期検診を継続して受けるということです。なんか分かるような気がしませんか?歯科医院に行く日を予め決めておくと、おそらく口腔ケアの意識が向上され、その意識により知らず知らずのうちにセルフ口腔ケアのスキル向上に結び付くのではないでしょうか。「痛くないからいいや」、「調子いいからいいや」が痛みを伴わないことが多い慢性疾患である歯周病を進行させてしまうようです。

では「定期検診の頻度はどれくらいが効果的でいいのか」という声が聞こえてきそうですが、明確な基準データはまだ無いでしょう。かかりつけの主治医とよく相談してください。ちなみに私の基準は、歯周病の重症度により1~6か月の幅があります。歯周病のほとんどは慢性ですが急性化の場合は1週間後に再チェックします。あとは年齢、全身疾患による服薬の多少で幅がありますが、最も影響力があるのは、患者のライフスタイルです。歯周病進行抑制のための定期検診頻度は、ストレス的に金銭的に、「無理なく頻繁に」が望ましいようです。


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