一般的には噛み合わせといいますが、専門的には咬合といいます。「噛み合わせが、噛み合わせが」とよく歯医者も患者も言いますが、いろいろな咬合学を読んでも、流派や考え方にバラつきがあり、これで絶対大丈夫といったような絶対的咬合理論は無いようです。
患者も歯医者もある咬合理論を治療で臨床実践し、たまたまうまくいけばその咬合理論がわかったかのように勘違いを起こし、たまたまうまくいかなければその咬合理論は間違っていると認識し否定してしまいます。
つまり、咬合理論は相性や気分に左右されることも多く、様々な咬合理論を知っておいて損はありませんが、もしかしたら固執してはいけない分野かもしれません。
咬合は経時的に変化していくものです。たとえ完璧な咬合治療があるとしても、変わりゆくものである限り、咬合治療結果の永続性はありません。
また、TCH(上下の歯と歯の接触クセ)で有名な木野孔司先生によると正常な方では噛み合わせている時間は一日でたったの10~20分しかなく、わずか1~2%の時間の咬合状態にあれやこれやと様々な咬合理論を用いて治療に取り組むのではなくむしろ、接触クセ時間の長期化を予防することの方が大切と考えられます。
残りの98%のうち機能的、審美的な時間、つまり食事時間や人と会って会話時間に歯並びや噛み合わせに重篤な支障ではなければ、どのような歯並びや咬合であってもそれでよしといった考え方をすると、患者も歯医者もとても楽になります。
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広島県三原市の歯医者 大名歯科